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2023年3月以降のオンライン・フォーラムの日程

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■5月 6日⇒講師のご都合により延期

 玉木俊明「商業と国家の世界史――なぜイギリス・アメリカが、資本主義世界の覇権国家となったか」前編

 ロシアのウクライナ侵攻、中国の台頭、アメリカの衰退、イギリスの再登場(AUKUS)、日本の安全保障政策の大転換などをみると、主要国家間の臨戦態勢がいまだ続いており、その起源は何か、世界史の中で考察することが、いまひじょうに重要になっていると思います。従来のマルクス・レーニン主義的な
「帝国主義論」を超える、世界資本主義の認識が問われていると考えます。

  岩田弘「世界資本主義」論は、従来の一国資本主義論を批判して「世界資本主義」の観点を打ちだした点で画期的でしたが、国民経済の具体的既定がありませんでした。
 ウォラステインの「近代世界システム」論は、<中核(英仏等主権国家の国民経済)―半周辺―周辺>における主権国家相互の半周辺・周辺にたいする経済資源争奪戦として、世界資本主義の歴史を描こうとしました。
 川北稔は、世界商業と中核諸国の工業化の関連をとらえる中で、なぜオランダではなくイギリスに最初の産業革命が生起し、パクス・ブリタニカとなったかを説明します。
 こうしたウォラステイン・川北稔らの近代世界システム論が、「マルクス経済学」に欠けていた西欧経済史の知見によって、世界資本主義論を発展させたことを正当に評価する必要があると考えます。
 ただ、近代世界システム論には、「国民経済」を成立させた財政・中央銀行・通貨についての経済学的規定や戦争と国民経済の関係については、不十分です。
パクス・ブリタニカについては説得的に説いていますが、それを引き継ぐパクス・アメリカーナについては、未だです。

​ 玉木俊明氏とともに世界商業と国家のかかわりを歴史的に総括する中で、「近代世界システム」論の到達点と課題を確認し、わたしたちが直面する世界危機への認識を深める一助としたいと考えます。

                   (世界資本主義フォーラム共同代表・矢沢国光) 


 


 
 ●主催 世界資本主義フォーラム 

 ●日時 2023年5月6日(土) 午後1時30分~4時 
  ※後編は 6月3日午後

 ●開催方式 zoomによるオンライン 

 ●テーマ  
「商業と国家の世界史――なぜイギリス・アメリカが、資本主義世界の覇権国
家となったか」 前編 

 【趣旨】イギリスは、18世紀後半に世界最初の産業革命を実現したが、貿易
収支が黒字になることはほとんどなかった。すなわ
ち世界最初の工業国家イギ
リスは、工業製品で儲かった国となったことはほとんどなかったのだ。19世紀
末になると、イギリス経済の中心は、金融業やサービス業となった。そして、
世界の商品を輸送したのは、商船隊が発展したイギリスであったばかりか、国
際貿易の決済が、イギリス製の電信を用いてロンドンでなされた。19世紀末か
ら20世紀初頭にかけてのイギリス経済を支えたのは、電信であった。イギリス
は、電信により、世界経済の覇権国になったのである。イギリスは、インビシ
ブルなものを商業の媒介としたのだ。電信はまた、コミッションビジネスを大
きく変え、イギリスに膨大な手数料をもたらすことになった。 

 

【前編・目次】

消費財の増加

大西洋経済と綿花

イギリスの海運業発展とオランダ

イギリスの海運業発展

イギリス海運業の発展とラテンアメリカ諸国

​  ――ラテンアメリカ諸国はなぜ独立に成功したのか

アジアの物流を支配したイギリス

なぜイギリスにだけ非公式帝国があったのか?

電信はどれほど重要か

電信が縮めた世界

イギリスのヘゲモニー――コミッション・キャピタリズムの国イギリス

おわりに

 ●講師 玉木俊明(京都産業大学経済学部教授 ヨーロッパ経済史) 

 ▲研究テーマ 『海上ルートによるヨーロッパの拡大の歴史』 
アジア諸国は主として陸上ルートでさまざまな地域を征服していった。ヨーロ
ッパはなぜ海上ルートで領土を拡大し、世界を制覇したのか。そのために重要
だったのが、商人と国家の役割です。近世のヨーロッパでは、国家とは無関係
に、商人がどんどんと海外に出てゆきました。やがて、商人の活動を国家が保
護するようになる。商人と国家は、どちらが欠けてもヨーロッパが世界を制覇
することができなかった、重要な要素なのです。(京都産業大学ホームページよ
り) 
 ▲著書 
『北方ヨーロッパの商業と経済 1550-1815年』知泉書館 2008 
『近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ』講談社選書メチエ 2009 
『近代ヨーロッパの形成 商人と国家の世界システム』創元社 2012 
『海洋帝国興隆史 ヨーロッパ・海・近代世界システム』講談社選書メチエ
2014 
『ヨーロッパ覇権史』ちくま新書 2015 
『歴史の見方 西洋史のリバイバル』創元社 2016 
『〈情報〉帝国の興亡 ソフトパワーの五〇〇年史』講談社現代新書 2016 
『先生も知らない世界史』日本経済新聞出版社 2016 
『先生も知らない経済の世界史』日本経済新聞出版社 2017 
『物流は世界史をどう変えたのか』PHP新書 2018 
『人に話したくなる世界史』文春新書 2018 
『逆転の世界史 覇権争奪の5000年』日本経済新聞出版社 2018 
『ヨーロッパ 繁栄の19世紀史 ─消費社会・植民地・グローバリゼーション』
ちくま新書 2018 
『拡大するヨーロッパ世界 1415-1914』知泉書館 2018 
『世界史を「移民」で読み解く』NHK出版新書 2019 
『移動・交易・疫病 命と経済の人類全史』星海社新書 2020 
『「世界史×日本史」エピソード100』星海社新書 2021 
『16世紀「世界史」のはじまり』文春新書 2021 
『金融化の世界史 大衆消費社会からGAFAの時代へ』ちくま新書 2021  
『迫害された移民の経済史 ヨーロッパ覇権、影の主役』河出書房新社 2022 

●参加方法 どなたも参加できます 
(1)5月4日までに、sekaiforum@jcom.zaq.ne.jpまで、 
  ・「5.6参加希望」と書いて 
  ・氏名[所属・立場、できれば電話番号、など]をお知らせください。 
事前にZOOM接続情報と当日の報告資料を送信します。早めに申し込みくだ
さい。
 前日(5月5日)になっても、 ZOOM接続情報が届かなかったら、
 矢沢yazawa@saitama.zaq.jp または 090-6035-4686 まで連絡ください。 

(2)当日朝9時までにZOOM接続情報を「リマインダー」(再送信)します。
当日、zoom接続にトラブルのあった方は、安岡090-9828-2342 まで連絡くださ
い。 

(3)参加費 500円[あと払い]、支払い方法は、世界資本主義フォーラムの
サイトをご覧ください。 https://www.worldcapital.online/ 

 

■6月 3日⇒講師のご都合により延期

 玉木俊明「商業と国家の世界史――なぜイギリス・アメリカが、資本主義世界の覇権国家となったか後編

【後編・趣旨】

アメリカのヘゲモニーは、イギリスのヘゲモニーとは異なる。それは、精巧なコミッション・キャピタリズムを形成したイギリスと比較すると、国際機関を設立することでヘゲモニー国家となったアメリカは、経済成長による成果をイギリスほどには手に入れられなかったからだ。

 アメリカのヘゲモニーを確立したのは、1944年のブレトンウッズ会議であり、1オンス=35ドルに固定される金本位制、固定相場制に依存していた。それは、アメリカの経済力が他国よりも圧倒的に強いからこそ維持されるシステムであった。それは、1971年のニクソンシュック、1973年と1978-79年の石油ショックにより、終わりを迎えた。しかしアメリカの経済的支配はIT産業の発展により復活したが、それはまた大英帝国の在り方と関係している。

現代世界では、タックスヘイブンを巧みに使用することにより、本来納めるべき税金を納めていない企業もあるのも事実である。製造業よりもIT企業にそれはより多く見られ、そのため一般の人々は、必要以上の納税を強いられているのかもしれない。またタックスヘイブンは、大英帝国と関連した地域が多く、それは大英帝国が金融の帝国であり、政治的帝国はなくなったとしても、イギリスの金融力はまだまだ世界に強い影響力をおよぼしているからである。しかもそれは、イギリス王室の特異性と関係している。

 アメリカの経済力の復権は、じつは大英帝国が生み出したシステムと関係していた。アメリカの金融力は、大英帝国が築き上げたものを利用していると言って、問題あるまい。近代世界システムという観点から見るなら、この二つのヘゲモニーは、基本的にイギリスが生み出したシステムをアメリカがうまく利用したからだと言えそうである。そのようなシステムは今後とも続くのか、それとも終わるのか、私なりの結論を出してみたい。

 

【後編・目次】

アメリカのヘゲモニーの特徴

大衆消費社会アメリカ

ブレトンウッズ体制

アメリカ時代の終焉

イギリスの国制

金融帝国としての大英帝国

王室属領とタックスヘイブン

したたかなイギリスのタックスヘイブン優遇政策

イギリスの国葬と金融の関係

EU諸国の銀行とタックスヘイブン

無形資産の増加

租税回避とGAFAMの問題点

ヘゲモニーは変わるか 持続的経済成長の終わり?​  

 ■7月15日 梶谷 懐「中国経済講義」
 
 習近平第三期政権は「共同富裕」を目指していますが、その成否は、中国経
済の行方に大きく依存しています。
中国の政治経済の実情は、中国の経済統計の遅れや中国政府の政治的思惑によ
って、つかみにくい面があります。中国嫌いのバイアスのかかった「分析」も
よく目にします。
梶谷懐氏は、イデオロギー的偏向を排して、たしかな経済学の手法により、中
国経済を把握しようとしています。情報の洪水に足をすくわれがちなわたした
ちにとって、一度立ち止まって、複雑に絡み合う経済的諸関係のなかから概念
を取り出す作業を、梶谷氏とともに、じっくりやってみるのは、大いに価値の
あることだと考えます。
そこで今回はあえて「講義」という名称を冠したフォーラムを企画しました。
 その中で、中国経済を理解するカギとなる以下のようなトピックスが扱われ
ます。
 ▲人民元の国際化の問題   ▲不動産バブルと過剰債務問題   ▲格差の
拡大と再分配政策の遅れ   ▲労働問題   ▲国有企業と民間企業の関係  
 ▲米中産業界の複雑な関係   ▲一帯一路構想をどう評価するか
 中国の動向に関心のある皆様の参加を呼びかけます。 
                   (世界資本主義フォーラム・矢沢国光)

 ●主催 世界資本主義フォーラム
 ●日時 2023年7月15日(土) 午後1時30分~4時
 ●テーマ 中国経済講義
  【趣旨】
 ●講師 梶谷 懐(神戸大学大学院経済学研究科教授)
 1970年生まれ。専門は現代中国の財政・金融。著書に『現代中国の財政金融
システム』(名古屋大学出版会、2011年、大平正芳記念賞受賞)、『日本と中
国、「脱近代」の誘惑:アジア的なものを再考する』(太田出版、2015年)、
『日本と中国経済』(ちくま新書、2016年)、など。
●参考文献 『中国経済講義』(中公新書、2018年)

●開催方式 zoomによるオンライン
●参加方法 どなたも参加できます
(1)sekaiforum@jcom.zaq.ne.jpまで、「7.15参加希望」と書いて
・氏名[所属・立場、できれば電話番号、など]をお知らせください。
(2)参加費 500円[あと払い]、支払い方法は、世界資本主義フォーラムの
サイトをご覧ください。 https://www.worldcapital.online/
※詳しい参加案内は、後日、世界資本主義フォーラムのサイトに掲載します。

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